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イエローワイン

      2017/03/20

 

先々週からオレンジワイングリーンワインブルーワインと来ましたので、お次はイエローワインと行きましょう。ワインが黄色?そんなの当たり前だよ、白ワインならどれも淡いイエローじゃないか。あるいは、ワラ―ビーの愛称が商品名となってるオーストラリアのイエローテイルのことを指すのか。と言われそうですが、全く違います。イエロー、すなわち黄色いワインです。フランスのワイン愛好家の方は、もう気が付かれたかもしれません。

 

ジュラ地方(赤印)

そう、ジュラ地方の黄ワイン(ヴァン ジョーヌ Vin Jaune)の事です。ジョーヌ Jauneはフランス語で「黄色」という意味です。黄ワインとはフランス東部、スイスとの狭間の山間部に位置するジュラで生産されます。ジュラは高山性気候なので冷涼な地域です。幅6㎞、長さ80㎞に及ぶエリアに1900haのぶどう畑が広がります。ブルゴーニュでお馴染みのピノノワール(=グロ ノワリアン)、その他プルサール、トゥルソーと言う黒ぶどうも栽培されていますが、メインはシャルドネやサヴァニャンなどの白ぶどうです。山のワインなので、言わずと知れた白ワインの産地です。

黄ワイン(ヴァン ジョーヌ)

 

黄ワインはサヴァニャン(=ナチュレ)を使って造られます。シェリーと同じような独特な造り方をします。熟成樽に入れるワインが満量ではないので、産膜酵母による皮膜(Fleur du vin=ワインの花)がワインの液面に形成されます。産膜酵母はフロール(花)と呼ばれています。

 

樽熟成中の黄ワインは産膜酵母を形成

 

好気的環境下でワインは徐々に酸化に傾きます。フランスのワイン法の中で最長である6年の樽熟成が施されます。その間、少しづつ蒸発され、最終的には約40%のワインが目減りします。しかしながら敢えて補酒は行いません。厳しいワイン法の下では、滓引き禁止なども定められています。長い熟成を経ると、色合いは濃い黄色に変化し、クルミ、アーモンド、ヘーゼルナッツなどのナッティな風味が生じます。酸化のニュアンスが強く、アプリコットなどのドライフルーツやスパイス香、産膜酵母由来のシェリー香や紹興酒のような香りがします。非常に味わいと旨味がある辛口の白ワインです。クラヴランと呼ばれている620cmlサイズの寸胴型のボトルに入れられて販売されています。元々、酸化熟成されたワインなので長期熟成が可能なタイプです。

 

 

黄ワインに合うチーズは、ジュラの特産物であるコンテ(Comte)が鉄板です。乳製品とタンニンはまずまずなので赤ワインよりも、どちらかと言えば酸が豊富な白ワインの方がマッチします。白カビのモンドール(Mont d'Or)や圧搾のモルビエ(Morbier)なども山のチーズとして相性が良いです。黄ワインはミルキーなチーズと合います。

 

コンテ

モンドール

モルビエ

 

ジュラの郷土料理なら、雄鶏のヴァンジョーヌ煮込み(Coq au Vin Jaune)や同郷のナンテュア湖で獲れるザリガニのナンテュアソース(Ecrevisse Sauce Nantua)などがぴったりです。白ワインをふんだんに使用した濃厚なクリームソースが黄ワインの個性とよく合います。

 

雄鶏のヴァンジョーヌ煮込み

ザリガニのナンテュアソース

 

驚くことに、和食を代表する天ぷらとの相性も抜群だそうです。実際、東京の某天ぷら店では、天ぷらに合わせて黄ワインを提供しています。酸化×酸化のマリアージュに妙に納得してしまうのでありました。黄ワインは冷やさずに常温で頂くのがポイントですね。

 

黄ワイン×天ぷら

 

 

黄ワインとは異なりますが、クロアチアの熟成された白ワインもお勧めです。レモンなどの柑橘系の香りと熟成香が立ち上ります。ドライなミネラル感と豊富な酸がアフターにかけて続きます。和食(おでん、水炊き、湯豆腐など)、昆布がきいた甘めの煮物がよく合います。食材では春菊、トマト、薬味では山椒や柚子胡椒がぴったりです。次回はクロアチアワインの入荷は致しません。在庫一掃SALE中、この機会に是非ご利用下さい。

 

《ボルファン ソーヴィニョン2012》

産地:クロアチア
品種:ソーヴィニョンブラン
タイプ:辛口白ワイン・ビオディナミ
価格:3,900円→2,900円(在庫一掃SALE)

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